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「第70回全国学校給食研究協議大会」岡山県で開催!

2019年11月7日、8日の両日、岡山県岡山市に全国から学校給食関係者が参加し、2日間にわたり『「生きる力」を育む食育の推進と学校給食の充実 ~ 新時代に向けて 食で育てる 心も体も健やかな子ども ~』を主題とし、学校における食育の推進と学校給食の充実を図るため、以下の内容で研究協議が行われました。

【全大会開会式の様子】

分科会では、岡山県の秋の味覚「いいだこ」や、特産品を使用した「白桃甘煮」「黄にらのおひたし」、また昔から「ハレの日」に食べられてきた郷土料理「岡山ずし」のすし飯の上に、瀬戸内海の海の幸のままかり・がらえび・鰆・穴子等が盛り付けられた「おかやま晴れの日弁当」が配られました。

【おかやま晴れの日弁当】

 1.大会概要

1)主題
『「生きる力」を育む食育の推進と学校給食の充実
~ 新時代に向けて 食で育てる 心も体も健やかな子ども ~ 』
2)趣旨
学校における食育を推進する上で重要な役割を担う学校給食の在り方について研究協議を行い、併せて学校給食関係者の資質の向上を図る。
3)開催日
2019年11月7日(木)・8日(金)
4)開催地
岡山県岡山市
5)主催
文部科学省、岡山県教育委員会、岡山市教育委員会
全国学校給食会連合会、公益財団法人岡山県学校給食会
6)後援
岡山県小学校長会、岡山県中学校長会、岡山県特別支援学校長会、
岡山県学校給食共同調理場連絡協議会、岡山県学校栄養士会、岡山県PTA連合会

2.全大会概要

1)開会式
2)「文部科学大臣表彰」表彰式・受賞者記念撮影

【「文部科学大臣表彰」受賞者記念撮影の様子】

3)文部科学省説明
演題:「学校における食育の推進 及び学校給食の充実」
文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課 課長 平山 直子
4)シンポジウム
テーマ:
「子どもたちの望ましい食習慣の形成を目指して~ 学校給食摂取基準を生かした栄養管理と食育 ~」
コーディネーター:
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 学校給食調査官 齊藤るみ
シンポジスト:
神奈川県立保健福祉大学 学長 中村丁次
総社市立総社中学校 栄養教諭 光畑和美
岡山県教育庁保健体育課 指導主事(主幹) 鈴木 美穂
5)特別講演
演題:「子どもの口はふしぎがいっぱい」
講師:岡﨑 好秀氏 歯学博士

3.分科会

1)開催日
2019年11月8日(金)
2)各分科会と研究主題
(1)第1分科会 小学校における学校給食を中心とした食育
研究主題
「学校給食を活用し小学校における食育を推進するための方策」
(2)第2分科会 中学校における学校給食を中心とした食育
研究主題
「学校給食を活用し中学校における食育を推進するための方策」
(3)第3分科会 特別支援学校における学校給食
研究主題
「児童生徒の障害に応じた学校給食の提供及び食に関する指導の進め方」
(4)第4分科会 学校経営における食育
研究主題
「学校経営の中に食育を位置付け栄養教諭を活用しながら食育を推進するための方策」
(5)第5分科会 学校給食における地場産物・国産食材の活用
研究主題
「学校給食において地場産物・国産食材の納入体制の整備及び活用を推進するための方策」
(6)第6分科会 学校給食における食物アレルギー対応
研究主題
「食物アレルギーに対応した学校給食の提供及び個別的な相談指導の在り方」
(7)第7分科会 学校給食における献立作成及び栄養管理
研究主題
「学校給食摂取基準に基づいた献立作成と児童生徒の実態に応じた栄養管理の在り方」
(8)第8分科会 学校給食における衛生管理及び危機管理
研究主題
「安全かつ安心な食材の選定及び衛生管理や危機管理を徹底するための方策」

4.大会参加者のまとめ

今大会1日目の展示会に出展し、2日目は分科会を受講しました。その内容を以下の通りご報告します。分科会は、いずれの会場においても、活発な研究討議が行われました。

【文部科学省説明】

「学校における食育の推進 及び学校給食の充実」と題し、文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課 平山直子課長から2019年3月発行の「食に関する指導の手引(第二次改訂版)」の改訂目的やポイントなどについてお話がありました。

 また、「災害時の学校給食実施体制の構築」では、熊本県益城町教育委員会 柴田敏博防災担当から熊本地震で旧給食センターが被災したその当時の状況、給食再開への取組報告、災害に強い新給食センター構築の取組内容など、復興するまでの道のりについて説明がありました。

【シンポジウム】

「子どもたちの望ましい食習慣の形成を目指して~ 学校給食摂取基準を生かした栄養管理と食育 ~」と題し、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 齊藤るみ学校給食調査官がコーディネーターをされ、岡山県教育庁保健体育課 鈴木指導主事(主幹)・総社市立総社中学校 光畑栄養教諭の2名が、2018年8月改正「学校給食摂取基準」を踏まえ、時間をかけた段階的な減塩の取組内容など、それぞれ発表がありました。シンポジストの神奈川県立保健福祉大学 中村丁次学長からは「健康的な日本食は、日本人の努力で形成され、特に学校給食が果たした役割は大きい」とのご発言がありました。

【第1分科会 小学校における学校給食を中心とした食育】

1)埼玉県川口市立並木小学校 発表事例
主題:栄養バランスの良い朝食をとるため、学校全体で「食行動の変容」につながる食育を推進する。
2)島根県浜田市立三隅小学校 発表事例
主題:学校給食を通して児童が地域に根ざしている魚の魅力を知り、魚料理への関心を高めるため、学校、家庭、地域や関係機関が連携して魚食を推進する。
3)岡山県倉敷市立児島小学校 発表事例
主題:生涯にわたって健康な生活を送るためには、食習慣の基本となる「朝食摂取」「生活習慣病予防」に取組み、「朝食摂取」目標値は岡山県平均の86.6%とする。

1)2)3)の発表から、栄養教諭がコーディネーターとなり、学校・家庭・地域・関係機関と連携を図りながら食育の推進や地場産物の活用、食習慣の改善に積極的に取組を行っておられ、取組を通して、子ども達の地域への愛着心が育まれ、食習慣や食事のマナーなどを自分自身で改善する自己管理能力も育成されることを実感しました。

髙岡 里江 記