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飲食時飛沫 隣は正面の5倍「富岳」で計算 理化学研究所が結果公表

国立研究開発法人理化学研究所が、スーパーコンピューター「富岳」を使い、飲食時の飛沫の拡散などをシミュレーションした結果を公表しました。

飲食店での食事を想定し、縦60センチ、横120センチのテーブルを4人で囲み、マスクをせずに1分間程度の会話した際の届く飛沫の数の違いを調べた。

一人の発言者が、①正面、②隣、③はす向かいに座ったそれぞれの人に顔を向けて会話をした場合を調べた。その結果、②隣の人には①正面の人に比べて約5倍の飛沫が届き、③はす向かいだと①正面の約4分の1にとどまった。

また、部屋の湿度でも飛沫の拡散の程度は変わり、湿度が90%の室内でせきをした場合、小さな飛沫は前方に飛び、大きな飛沫はその多くが机に落ちて残った。

一方、湿度が30%の室内でせきをした場合、小さな飛沫が湿度90%の時よりも多く前方に飛び、机に落ちた大きな飛沫もどんどん小さな飛沫に変わって空気中に舞っていく。湿度が低く空気が乾燥することにより、飛沫が急速に蒸発し、大きさ0.5マイクロメートル以下の空気中を漂う微粒子(エアロゾル)になり周囲に拡散した。

このシミュレーションの結果から、国立研究開発法人理化学研究所は、対面での飲食時は対角で座るなど距離を保ち、カウンター席でも正面を向いて話すことで、感染リスクに大きな違いが出るとし、また、空気が乾燥しやすい冬場は、加湿器などで湿度をコントロールするとともに、空気中を漂う微粒子(エアロゾル)に対し換気等の対策を強化することを勧めています。