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「第62回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」群馬県 オンラインで開催!

8月5日、6日の両日、「第62回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」が群馬県高崎市で開催されました。

栄養教諭・学校栄養職員を中心に、全国から学校給食関係者がオンラインで参加し、2日間にわたり全体会・分科会が以下の内容で行われました。

1.大会概要
1)主題
『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』~つなげよう ひろげよう 心にググっと ぐんまの食育~
2)趣旨
学校における食育の推進に向けて、児童生徒に対する食に関する指導の在り方や学校給食の充実方策について研究協議し、栄養教諭・学校栄養職員の資質の向上を図る。
3)開催日
令和3年8月5日(木)・6日(金)
4)開催方法
Web会議システム(Zoom)によるオンライン開催
5)会場
1日目(全体会)「Gメッセ群馬」 中会議室
2日目(分科会)「Gメッセ群馬」 中会議室・小会議室
6)主催
文部科学省、群馬県教育委員会、高崎市教育委員会、
公益社団法人全国学校栄養士協議会、公益財団法人群馬県学校給食会
7)協賛
全国学校給食会連合会
8)後援
公益財団法人日本教育公務員弘済会群馬支部

2.全体会概要
1)開催日
令和3年8月5日(木)
2)文部科学省説明
演題:「学校における食育の推進と栄養教諭の役割」
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 課長/三木 忠一
3)文化庁説明
演題:「文化庁における食文化制作の検討状況」
文化庁参事官/野添 剛司
4)基調講演
演題:「栄養教諭に期待される資質・能力」
講師:お茶の水女子大学 教授 赤松 利恵氏
5)シンポジウム
主題:「これからの栄養教諭に求められている資質・能力」
コーディネーター:
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 学校給食調査官/齊藤るみ
シンポジスト:
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 食育調査官/清久利和
お茶の水女子大学 教授/赤松 利恵
東京都調布市立深大寺小学校 校長/濵松 章洋
太田市教育委員会 指導主事/松岡 映子
高崎市立倉渕中学校 栄養教諭/濵名 美樹

3.分科会概要
1)開催日
令和3年8月6日(金)
2)各分科会と研究主題
(1)単独調理場
研究主題
「栄養教諭を中核とした単独実施校における食に関する指導の在り方」
(2)共同調理場
研究主題
「栄養教諭を中核とした共同調理場から受配する学校における食に関する指導の在り方」
(3)特別支援学校
研究主題
「栄養教諭の専門性を生かした障害のある児童生徒一人一人に応じた学校給食の提供と食に関する指導の在り方」
(4)個別的な相談指導
研究主題
「栄養教諭の専門性を生かし児童生徒への個別的な相談指導の進め方」
(5)食育推進体制
研究主題
「全教職員による食育推進体制及び家庭や地域、関係団体等と連携した推進体制の構築における栄養教諭の役割」
(6)食育の評価
研究主題
「食に関する指導の全体計画と評価及び栄養教諭の配置効果」
(7)栄養管理
研究主題
「栄養教諭の専門性を生かした栄養管理と生きた教材となる献立作成」
(8)衛生管理
研究主題
「衛生管理責任者としての栄養教諭の役割」

4.大会に参加して

今大会は初めて、オンラインで開催されました。全体会(5日)・分科会(6日)の2日間、すべてを受講しました。その内容を以下の通り、ご報告します。

【シンポジウム】

「これからの栄養教諭に求められる資質・能力」をテーマとして、文部科学省 齊藤るみ学校給食調査官のコーディネートにより、お茶の水女子大学 赤松利恵教授・深大寺小学校 濱松 章洋校長・太田市教育委員会 松岡映子指導主事・倉渕中学校 濵名美樹栄養教諭等4名のシンポジストの方々から活発なご発言がありました。中でも、学校現場の管理職として濱松校長先生から栄養教諭・学校栄養職員の取組に対しての熱心なご発言「小学校から高等学校までつなげる『キャリアノート』に食育の観点を追加することで、小学校6年間の食の記録が中学校以降に引き継がれ、中学校での食の指導も行いやすくなるのではないか」とのご意見が強く印象に残りました。

最後にまとめとして、コーディネーターの齊藤学校給食調査官より栄養教諭・学校栄養職員自身が発信していく力と、コミュニケーション能力がたいへん重要で、強く求められているとのご発言がありました。

【第7分科会:栄養教諭の専門性を生かした栄養管理と生きた教材となる献立作成】

①児童生徒の実態に応じた献立作成と栄養管理の在り方②児童生徒の学校給食における栄養摂取状況の把握と評価の在り方③学校給食を生きた教材として活用するための献立作成の在り方の3つの協議内容について、下記の発表者・指導助言者で話し合われた後、視聴側からチャットを通して活発な意見交換がなされました。

<発表者>
群馬県川場村立川場小学校 栄養教諭 / 遠藤 まみ
茨城県土浦市立神立小学校 栄養教諭 / 小神野 あや子
沖縄県立大平特別支援学校 栄養教諭 / 津波 綾乃
<指導助言者>
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 学校給食調査官 / 齊藤 るみ
岡山県教育庁保健体育課 指導主事 / 鈴木 美穂

3件の研究発表を基に、➀子ども達の個々に応じた喫食状況を把握し、実態に合わせて調整し継続していくこと、➁献立作成の意図を学級担任と連携すること等の重要性について話し合われました。

また、➂学習指導要領に基づき給食を教材として扱い、導入・振り返り・深めるという栄養教諭ならではの提案をしっかりと発信することの必要性や、➃2021年4月改定となった学校給食摂取基準対応に関する減塩の工夫、➄家庭でも望ましい味付けの仕方を伝えるための発信の必要性などについても、様々な形で活発に意見交換されました。

【初めてのオンライン大会参加について】

本大会はコロナ禍において初めてのオンラインによる開催となり、チャットを通して全国から多くの意見が寄せられ、参加者も画面を観ながら集中して受講できたように感じています。準備をされた方々には、たいへんなご苦労がおありだったと思いますが、新しい様式による大会のあり方のプラス効果も実感し、とても貴重な経験となりました。そして「食を通して子ども達の健やかな成長を願い、生きていくための土台となる健康を育む」栄養教諭等の重要性をあらためて再認識いたしました。

山本晶子
村井 真希 記