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「第72回全国学校給食研究協議大会」北海道 オンラインで開催!

2021年10月21日、22日の両日、「第72回全国学校給食研究協議大会」が北海道札幌市で開催されました。

栄養教諭・学校栄養職員を中心に、全国から学校給食関係者がオンラインで参加し、2日間にわたり全体会・分科会が以下の内容で行われました。

1.大会概要

1)主題
「生きる力」をはぐくむ食育の推進と学校給食の充実
~ 学校給食ではぐくもう 次代を担う子どもたちの心と体 ~
2)趣旨
学校における食育を推進する上で重要な役割を担う学校給食の在り方について研究協議を行い、併せて学校給食関係者の資質の向上を図る。
3)開催日
2021年10月21日(木)・22日(金)
4)開催地
北海道札幌市
5)主催
文部科学省、北海道教育委員会、札幌市教育委員会、北海道学校給食研究協議会、
全国学校給食会連合会、公益財団法人北海道学校給食会
6)後援
北海道小学校長会、北海道中学校長会、北海道特別支援学校校長会、
北海道公立学校教頭会、北海道特別支援学校副校長・教頭会、北海道PTA連合会、
北海道学校栄養士協議会、北海道特別支援学校栄養教諭研究協議会、
北海道高等学校学校給食研究協議会

2.全体会概要

1)開会式
2)「文部科学大臣表彰」表彰式・受賞者記念撮影
3)文部科学省説明
・テーマ:「日常生活の食事」に生きる学校給食 
~ 教材となる「おいしい」給食の実践と発信 ~
・キーノート・スピーチ
文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課学校給食調査官/齋藤るみ
・コーディネーター
文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課食育調査官/清久利和
・シンポジスト
文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課学校給食調査官/齋藤るみ
公益社団法人全国学校栄養士協議会 会長/長島美保子
北海道札幌市立円山小学校 校長/森田智也
北海道西興部村立西興部小学校 栄養教諭/小西千鶴
北海道PTA連合会 副会長/街道美恵
北海道教育庁学校教育局 指導担当局長/中澤美明

3.分科会

1)開催日
2021年10月22日(金)
2)各分科会と研究主題
(1)第1分科会 研究主題
学校経営に食育を位置付け、栄養教諭を中核に全教職員が連携・協働して取り組む食育推進体制の整備・充実
(2)第2分科会 研究主題
小学校における学校給食を活用した食育の充実
(3)第3分科会 研究主題
中学校における学校給食を活用した食育の充実
(4)第4分科会 研究主題
特別支援学校における学校給食を活用した食育の充実
(5)第5分科会 研究主題
社会的課題に対応する学校給食を活用した食育の充実
(6)第6分科会 研究主題
学校給食における食物アレルギー対応及び個別的な相談指導の充実
(7)第7分科会 研究主題
学校給食の調理の工夫と栄養管理の充実
(8)第8分科会 研究主題
安全・安心な食品の選定と衛生管理の充実

4.大会参加者のまとめ

今大会は初めてオンラインで開催され、全体会(21日)・分科会(22日)の二日間受講しました。その内容を以下の通りご報告します。

【全体会】

文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課 齋藤るみ学校給食調査官によるキーノート・スピーチでは「日本の学校給食」と「日常生活の食事に生きる学校給食」の2つを柱としてお話がありました。

学校給食摂取基準や学校給食衛生管理基準等のご説明の後、「日本の学校給食は教育の一環であり、日本の食事モデルである」「各教科等の指導と関連付けて活用した献立や、地場産物利用を促進する取組が栄養教諭等により発信されることによって、家庭や地域に影響を与え、『日常生活の食事の中に生きる学校給食』となり、生きた教材としての役割を果たすことになる」と、力強く述べられました。

このキーノート・スピーチを受けて①学校給食の役割について②学校給食に期待したいことについて、様々なお立場から活発な意見交換があり、コーディネーターの文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 清久利和 食育調査官が、「このシンポジウムは『本気のシンポジウム』です!」と度々明言されていたことが印象的でした。

【第2分科会 小学校における学校給食を活用した食育の充実】

①学校給食を活用した食に関する指導の改善及び充実を図るための指導方法の工夫②給食の時間における食に関する指導を中心に食育を推進する体制の在り方③小学校における食育の充実を図る家庭や地域との効果的な連携の在り方の3つの協議内容について、下記研究発表の報告がありました。

1)北海道森町立森小学校 発表事例
主題:より良い食習慣の形成を目指す食育の推進
~より実践力を高める指導の在り方~
2)滋賀県近江八幡市立武佐小学校 発表事例
主題:豊かな心と健やかな体を育む学校給食
~ふるさとの食に学び、学校・家庭・地域をつなげる食育~
3)鳥取県若桜町立若桜学園 発表事例
主題:地域を愛し、望ましい食生活を自ら実践できる子供の育成
~学校・家庭・地域をつなげる「イチオシ若桜メシ」の取組~

3件の研究発表を基に、子ども達の喫食状況を把握し、実態に合わせた取組を継続することや、学校・家庭・地域が連携すること等の重要性について、視聴側から寄せられた多くのチャットとともに、活発な意見交換がなされました。

学校給食を通して、「自分の食を自己管理できる能力」を身に付けた成人を育てたいと願う学校給食関係者の想いを、意見交換の中から再認識し、また「食育に取り組んで推進することがいかに重要なことであるか」を、共通認識としてあらためて実感しました。

そして、「子ども達の心身の健康と生きる力」を育むために、栄養教諭等が「学校給食が重要であること」をしっかり発信し、学校・家庭・地域の連携をコーディネートする大切な役割を担っていることをあらためて再認識いたしました。

山本晶子・土谷美紗樹 記