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ノロウィルス対策可能の給食カート導入開始 全国初の取組ご紹介

福井市の福井県立病院は、食中毒を引き起こすノロウィルス対策が可能になる新しい給食カートを業者と共同開発し院内の導入を始めました。

給食カートにセットした食材を、ノロウィルスが死滅する85度以上の高温で90秒以上再加熱できる機能があり、以下に詳細をご紹介します。

同病院では加熱調理した食材を一度、急速で冷却し冷蔵保存し、配膳の直前に再び加熱する方式で、食事を提供している。給食カートを、冷蔵保存や再加熱の際に使用する。

従来のカートは75度以上で60秒以上再加熱する設定で、O-157やサルモネラ菌などの食中毒を引き起こす多くの菌が死滅した。しかし、感染力の強いノロウィルスは死滅せず、これまでは盛り付け時などに細心の注意が必要だった。このリスクを排除するために、約2年前からエージーピー(本社・東京)と新機能の開発を進めていた。

新しいカートはノロウィルスも死滅する高い温度が設定でき、1台には24人分の食事トレーが収納できるため、主菜・副菜・汁物を同時に温めることができる。同病院では、常食、嚥下(えんげ)食、離乳食、糖尿病食などを提供しており、メニューは主菜、副菜、汁物となる。しかし、すべてのメニューを一度に同じ温度、時間で再加熱すると、焦げたり、水分が不足したりと食味を損なうメニューもあったため、カート内の加熱制御のソフトを改良した。また、食器に盛る量によっても、加熱具合を変える必要があるため、伝熱力が異なる機能性食器も鯖江市の下村漆器店と連携し開発した。

同病院では既に、21台の新しいカートを導入し稼働しています。2019年度までに病院内の約50台すべてを新しい給食カートに切り替える予定で、再加熱を的確にし、熱々で安全安心なおいしい食事を提供する、全国初の画期的な取組と言えます。