2016.02.15
『大阪市の中学給食が温かくおいしくなります!』
これまで冷たい、まずいと生徒から評判の悪かった大阪市の中学校給食が、2019年2学期までに全中学校124校で改善されることになりました。
その実施方法は生徒たちから不満が多かったこれまでの仕出し弁当を配る「デリバリー方式」に代わって、①自校で調理する「自校方式」②近くの学校で調理したものを運搬するいわゆる「親子方式」の2つに切り替えられるようです。
【大阪府の場合】
2011年、学力や体力をはじめ、中学生の成長の源となる「食」を充実させ、大阪の教育力の向上につなげるため、府内(大阪市・堺市の政令市を除く41市)で中学校給食を広げるべく、2011年度から2015年度までの5年間で総額246億円の助成予算を計上し、「子ども達を主眼においた中学校給食の完全実施」を導入することとなった。
2011年3月末時点の大阪府 公立中学校給食実施率は、12.3%(実施57校/全465校)だったのが、2015年3月末時点では、66.2%(実施307校/全464校)と、2011年から4年間で、実施率は54%も飛躍的に上昇している。
実施方法は①単独調理場方式「自校方式」②共同調理場方式「給食センター方式」③近くの学校で調理したものを運搬する「親子方式」④民間調理場活用方式「デリバリー方式」で行われている。
【大阪市の場合】
2014年、「デリバリー方式」により全中学校で給食が実施される。
しかし、冷たいまずいと生徒から不評だったため、大阪市教育委員会が食べ残し調査を実施。金額で25%、重さで約3割が残されていたのが分かった。おかずは30%で4億4,000万円、米飯は17%で3,700万円、牛乳は9%で3,300万円分を廃棄。残食率全国平均の4倍、金額としては年間5億円に達している。
大阪市教育委員会は、昨年9月から、「親子方式」により調理室がある小学校で作った給食を近くの中学校に温かいまま届けるモデル事業を実施。その結果、給食の食べ残しの量は、5%に改善された。
モデル事業の結果を踏まえ、また生徒からの温かい給食が食べたいという要望に応えるため、大阪市教育委員会は、段階的に中学校やその近くに給食の調理施設の整備を始め、2019年度までに、全市立中学校で温かい給食を提供するとしている。
理想とするかたちの中学校給食の実施は、予算の課題もあり、なかなか実際には難しいものがありますが、これまで中学校給食がほとんど実施されていなかった大阪にとって、この数年間で、中学校給食の実施率が12.3%から66.2%に上昇したことは、画期的なことです。
子どもの最も重要な成長期である中学校給食のあり方が見直されたことを第一歩として、大阪市教育委員会による整備が進み、今後はさらに完全給食実施へ向けて、温かくおいしい学校給食が全市立中学校で教育の一環として、提供されることに期待したいと思います。