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アレルゲンを含まない鶏卵作出 安全性を確認 広島大学とキューピー共同研究

日本学校保健会が行った全国調査では、食物アレルギーがある子どもの割合は2013年度(平成25年度)の4.5%から、2022年度(令和4年度)には6.3%に増加しています。

2021年度 消費者庁の調査研究によると、原因として最も多いとされているのは鶏卵で、食物アレルギー全体の33.4%を占めています。

卵アレルギーの原因は、卵に含まれる複数のたんぱく質(オボアルブミン、オボトランスフェリン、オボムコイドなど)と言われるが、「オボムコイド」以外のたんぱく質は熱に弱いため、十分に加熱すれば、アレルゲン性が低下する。しかし、「オボムコイド」は、熱にも消化酵素にも強い。

そこで、「オボムコイド」を含まない鶏卵を作出できないか、2013年から広島大学とキューピーは研究を続け、ゲノム編集の技術を使って、ニワトリの受精卵の「オボムコイド」遺伝子の働きをピンポイントに働かないように止め、その後ふ化したニワトリが成長し、交配・産卵することで、「オボムコイド」を持たないニワトリを誕生させることに成功した。研究グループでは、このニワトリから生まれた卵「アレルギー低減卵」にも「オボムコイド」が含まれていないことを確認した。

国立病院機構相模原病院で、2024年2月から「アレルギー低減卵」を子どもが安全に食べられるかを調べる世界で初の臨床試験が始まり、2026年の春までにあわせて、およそ60人に試験を行い、安全性を検証したいとしています。