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乳製品の国際相場が下落の可能性 新型コロナウイルス影響か

中国の食習慣の中で乳製品はこれまで大きな割合を占めていませんでしたが、最近は、中国国内で以前より牛乳の飲量が増え、チーズやクリームを使ったデザートの需要も増えています。

中国が世界最大の乳製品輸入国なった現在、同国内で新型コロナウイルス感染による混乱がこの先長引けば、物流の停滞や消費の落ち込みにより、中国国内の乳製品需要量が減少し、その結果、乳製品の国際相場が下落する可能性が懸念されています。

欧州委員会(※1)が公表している「2019年1~11月の乳製品の品目別輸入国・輸入量」で、中国は全脂粉乳(※2)・脱脂粉乳(※3)・ホエイ(※4)の輸入量が世界1位。2位の国とは、輸入量に大きな開きがあり、圧倒的な輸入量を誇っている。

 

2020年2月4日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:月2回開催のフォンテラ社主催の電子オークション)では、前回の2020年1月21日の価格と比べると、全脂粉乳が6.0%安、脱脂粉乳は4.2%安と値下がりした。 

このところの市場では、乳製品の国際相場が値上がりの傾向だったのが一転、今回値下がりの兆候が確認されたため、新型コロナウイルス感染状況と併せ、今後の動向が注目されています。

※1欧州委員会とは、EU(欧州連合)における行政執行機関

※2全脂粉乳とは、生乳・牛乳・特別牛乳からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの。乳固形分95%以上(うち乳脂肪分25%)、水分5%以下と定義されている。脂肪含量が多いため保存中に脂肪が酸化されやすく、脱脂粉乳に比較して保存性が劣る。

※3脱脂粉乳とは、粉乳の一種で、生乳や牛乳または特別牛乳の乳脂肪分を除去したものから、ほとんどすべての水分を除去したもの。乳固形分95%以上、水分5%以下と定義されている。脂肪分がほとんどないため保存性が良い。

※4ホエイとは、牛乳または、脱脂粉乳からカゼイン(リンたんぱく質の一種) を除いた水溶液をホエイという。また、乳清ともいう。体力増強に役に立つ成分を含んでいる。