株式会社 ＳＮ食品研究所

令和2年6月16日、農林水産省から「令和元年度食育推進施策(令和元年度食育白書)」が、公表されました。

「食育白書」とは、食育基本法の第15条に規定されている「食育の推進に関して講じた施策に関する報告書」とされ、政府が毎年国会に提出しているものです。

「令和元年度食育白書」は、第3次食育推進基本計画の重要課題の1つでもある「若い世代を中心とした食育の推進」を特集し、食料の生産から消費に至る食の循環において、若い世代が中心となって取り組んでいる事例を紹介しています。その内容は、以下の通りです。

・第1部 食育推進施策をめぐる状況
「若い世代を中心とした食育の推進」を特集し、若い世代の食生活の現状等を分析するとともに、若い世代が中心となって積極的に取り組んでいる食育事例を紹介。

・第2部 食育推進施策の具体的取組
第3次食育推進基本計画（平成28年3月18日食育推進会議決定）に掲げた事項の具体的な取組状況について、全国の様々な事例を紹介しつつ、話題性の高いテーマについてコラムとして紹介し、記述。

・第3部 食育推進施策の目標と現状に関する評価
第3次食育推進基本計画で掲げた目標値の令和元年度における進捗状況等について記述。

第1部の特集「若い世代を中心とした食育の推進」では、主なポイントとして次のように報告されている。

●「若い世代の特徴」

〇若い世代において、自身の健康状態について良いと考えている人は、男性68.5％、女性73.3％

〇「平成30年度国民健康・栄養調査」によると、30歳代男性の33.0％が肥満（BMI≧25㎏/㎡）、20歳代女性の19.8％、30歳代女性の19.3％がやせ（BMI＜18.5㎏/㎡）。

〇食育に関心を持っている若い世代の割合は、男性65.4％、女性75.9％。

●「若い世代における食生活の現状」

〇朝食を欠食する（「週に2～3日食べる」及び「ほとんど食べない」）若い世代の割合を、2020年度までに15％以下とすることを目指している。2019年度は25.8％。特に男性は、31.5％が朝食を欠食。

〇朝食を食べていない人に、朝食を食べるために必要なことを聞いたところ、男女ともに「朝早く起きられること」をあげる人が最も多く、次いで多いのが、男性では「自分で朝食を用意する時間があること」、女性では「朝、食欲があること」。

〇「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている若い世代の割合」を、2020年度までに55％以上とすることを目指している。2019年度は37.3％。他の世代と比べても低い結果であり、計画の55％の目標には遠い結果となっている。

〇主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べていることが「ほぼ毎日」ではない人に、回数を増やすために必要なことを聞いたところ、男女ともに「時間があること」をあげる人が最も多く、次いで「手間がかからないこと」。

「令和元年度食育白書」では、若い世代（20歳代及び30歳代）は、「人生100年時代」に向けて、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸のために、若い頃からの食生活が重要であることを自覚し、健全な食生活を習慣化する必要性が一層高い世代と位置付け、未来の日本を支える子供たちを育てる世代でもあり、次世代に「食」の重要性を伝えつなぐ役割を担うとしています。

詳細は、以下アドレスから確認できます。

■農林水産省「令和元年度食育白書」の公表について
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/200616.html

■令和元年度 食育白書（令和2年6月16日公表）
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/r1_index.html

※関連記事
2020年度5月2日付 SN見聞録
「農林水産省 第3次食育推進基本計画の達成状況を公表
～朝食欠食率横ばい・若い世代への食育推進が課題～」
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13148

「『平成30年度食育白書』が、農林水産省より公表」
2019年6月4日付 SN見聞録
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13074

2018年5月30日付 SN見聞録
 「『平成29年度食育白書』が、農林水産省より公表」
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13008

2017月年6月9日付 SN見聞録
 「『平成28年度食育白書』が、農林水産省より公表」
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/12960