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地場産物を活かした我が校の自慢料理!第16回全国学校給食甲子園~食育と学校給食のいっそうの充実と普及のため オンラインで大会開催~

2021年12月4日(土)、認定NPO法人21世紀構想研究会主催による第16回全国学校給食甲子園決勝大会が、東京のメイン会場と12代表のサテライト会場を結びオンラインで開催され、その模様はYouTubeで実況中継されました。

応募シートで提出された献立内容と食育活動などの書類審査を経て、応募総数1355人の全国の学校栄養士(栄養教諭および学校栄養職員)から、都道府県代表、ブロック代表、決勝戦12代表が選定され、12月4日の最終審査で優勝・準優勝・特別賞など発表されました。

一方、ブロック代表になった24人の学校栄養士の中から21人の参加となった「食育授業コンテスト」も、昨年同様ビデオ審査となり、最優秀賞・優秀賞・精励賞が選定され発表されました。大会審査結果は、以下の通りです。

詳細は、下記公式ホームーページよりご確認頂けます。
■表彰式
https://kyusyoku-kosien.net/2021final_report/
■食育授業コンテスト https://kyusyoku-kosien.net/2021_playerintroduction/

1.概要

1)開催日 : 2021年12月4日(土)
2)出場校 : 北海道・東北/関東/甲信越・北陸/中部・近畿/中国・四国/九州・沖縄の6ブロック24代表
3)会場 : メイン会場 東京日本記者クラブ10階大ホール 12代表のサテライト会場を結ぶオンライン開催
4)出場選手: 全国の学校栄養士(栄養教諭および学校栄養職員)調理員
5)主催 : 認定NPO法人21世紀構想研究会

2-1.審査結果(以下敬称略)

1)優勝(株式会社日本一賞)
茨城県 ひたちなか市立美乃浜学園 保立貴博/關山春美

【 献立名:干しいもとちりめんじゃこの混ぜご飯、牛乳、
奥久慈しゃもとれんこんのかみかみソテー、常陸の輝きまろやか豚汁、
茨城彩り野菜とさくらたこの梅香さっぱりあえ、バインベリー】

 

2)準優勝(野口医学研究所賞)
佐賀県 白石町学校給食センター 川田孝子/古賀綾子
3)大村智特別賞
福井県 福井県立南越特別支援学校 櫻川朗江/栗田真寿美
4)21世紀構想研究会特別賞
長崎県 大村市中学校給食センター 佐田マキ/岩永慎也
5)女子栄養大学特別賞
兵庫県 芦屋市立精道中学校 奥瑞恵/砂田久佳
6)調理員特別賞(中野麗子賞)
新潟県 柏崎市西部地区学校給食共同調理場 調理員:梅内百合子
長崎県 大村市中学校給食センター 調理員:岩永慎也
7)優秀賞(藤江賞)
島根県 江津市立桜江学校給食センター 酒井美恵子/柳光真由美
8)優秀賞(武蔵エンジニアリング賞)
静岡県 静岡県立富士特別支援学校 滝浪永梨/金子由紀子
9)優秀賞(教職員生涯福祉財団賞)
青森県 おいらせ町立学校給食センター 大坊未世子/種市良子
10)優秀賞
岩手県 奥州市立胆沢学校給食センター 菊地万里子/千葉努
11)優秀賞
埼玉県 草加市立高砂小学校 今井ゆかり/風間真一
12)優秀賞
新潟県 五泉市立五泉南小学校 佐久間卓恵/鈴木美千代
13)優秀賞
愛媛県 西条市立玉津小学校 井上彩/秦陽子

 

2-2.食育授業コンテスト審査結果(以下敬称略)

 

14)キッコーマン食育授業最優秀賞
福井県 福井県立南越特別支援学校栄養教諭 櫻川朗江

【 噛んで含めるようにゆったりした分かりやすい説明の後、
ICTツールも使いこなし、おにぎりのつくり方をビデオで説明するなど、
子どもを飽きさせない魅力を感じる食育授業 】

 

15)食育授業優秀賞
長崎県 大村市中学校給食センター栄養教諭 佐田マキ
16)食育授業優秀賞
青森県 おいらせ町立学校給食センター栄養教諭 大坊未世子
17)食育授業優秀賞
千葉県 成田市立公津の杜小学校共同調理場栄養教諭 古川愛
18)食育授業優秀賞
徳島県 つるぎ町学校給食センター栄養教諭 峯田晴美
19)食育授業優秀賞
愛媛県 西条市立玉津小学校栄養教諭 井上彩
20)食育授業精励賞
岩手県 奥州市立胆沢学校給食センター学校栄養職員 菊地万里子
宮城県 登米市東部東和学校給食センター栄養教諭 菅原恵美
山形県 真室川町立真室川小学校栄養教諭 佐藤暢子
茨城県 ひたちなか市立美乃浜学園栄養教諭 保立貴博
栃木県 栃木県立鹿沼商工高等学校(定時制)学校栄養職員 岩田実津子
埼玉県 草加市立高砂小学校栄養教諭 今井ゆかり
新潟県 五泉市立五泉南小学校栄養教諭 佐久間卓恵
静岡県 静岡県立富士特別支援学校学校栄養職員 滝浪永梨
兵庫県 芦屋市立精道中学校栄養教諭 奥瑞恵
鳥取県 日野町立学校給食センター栄養教諭 坂井恭子
島根県 江津市立桜江学校給食センター栄養教諭 酒井美恵子
佐賀県 白石町学校給食センター栄養教諭 川田孝子
長崎県 長崎大学教育学部附属小学校栄養教諭 山﨑美奈
宮崎県 北浦町学校給食センター栄養教諭 中川みゆき

 

3.審査講評

 

審査副委員長 公益社団法人全国学校栄養士協議会 会長 長島 美保子氏(映像出演)

 

優勝・準優勝・特別賞並びに食育授業最優秀賞を始め、数々の賞及び、調理員特別賞を受賞された皆様、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

1次審査では、この度の学校給食摂取基準でさらにハードルが高くなりました。それに加えて次のような審査基準を組み合わせました。

●学校給食として実施したもの
●栄養量や分量が適切なもの
●地場産物を活用しその特色を生かしたもの

2次審査から4次審査にかけては、地場産物の学校給食への効果的な活用・子供が喜び郷土愛を育む献立、学校における食育の教材となる給食、美味しさを感じさせる献立・衛生管理や、彩りへの配慮等も踏まえて選びました。第4次審査では、優劣つけがたい給食献立がそろい、審査員泣かせとなりましたが、激戦を制して本日の12校のみなさんが選ばれました。

茨城県ひたちなか市美乃浜学園は、主食・主菜・副菜・しるものの組み合わせがバランスよく整った献立で、食育の教材として効果的な内容でした。豊かな地場産物を使い、いろどりも美しく、児童が考案したアイディア料理を取り入れるなど、優勝献立にふさわしい内容でした。

さて、審査の過程で課題として感じていることを申し上げたいと思います。まず摂取基準に基づいた献立作成をし、基準に満たない場合あるいはオーバーした場合、見直しをして過不足のところを工夫していただきたいと思います。

次に、食育授業コンテスト最優秀賞の福井県立南越特別支援学校の櫻川朗江先生おめでとうございました。5分間の短時間指導で子供たちに何を伝えたいか的を絞ったぶれない指導でした。

食育授業コンテストは、単に給食献立の紹介に終始するのではなく、給食を教材として、伝えたいテーマに沿って、コンパクトに、欲張らない教材と伝えたいことをしっかりおさえた内容が、決め手になると思いました。

 

4.閉会挨拶

 

主催者 認定NPO法人21世紀構想研究会 理事長 馬場 錬成氏

 

コロナ禍の影響で、応募献立の書類審査とオンライン表彰式という変則開催が2年続けて行われました。コロナ禍と日夜闘っている全国の学校給食の現場からは、今年も1355人の学校栄養士の先生方から応募がありました。食育指導も熱を帯びて展開されていることを知り、たいへん感銘を受けました。

今年は茨城県の美乃浜学園が優勝しましたので、優勝旗と優勝カップを東京のセンター会場から運んで来て、いま授与したところであります。優勝献立は素晴らしい内容でしたが、惜しくも優勝を逸した献立にあっても、どれもこれも地場産物の有効的な利用と美味しさを求めた献立であり、甲乙つけがたく審査委員を悩ませました。どうぞ胸を張って堂々と競い合ったことを子どもたちに報告してください。

食育授業コンテストも、先生方の授業のスキルが一段とアップしてきたように感じました。食育活動を視野に入れた授業は、聞いていても楽しくためになるものばかりでした。

子どもたちへの食育の啓発、地産地消の奨励、地域活性化を担う学校給食は、世界に類のないものであり、日本のソフトパワーを示すものです。私たちは誇りをもって、食育と学校給食のいっそうの充実と普及に努めたいと考えています。

1355人の先生方に作成していただいた応募書類は、電子書類になっており、貴重なビッグデータとして保管しています。私たちはこのデータをさまざまな角度から分析し、結果を日本食育学会で発表しています。このデータは年を経てより価値が出てくるでしょうし、世界に発信することもできるようになるでしょう。

コロナが終息に向かい、来年こそは実際に調理する正常の大会になるように祈念しております。大会の実施に当たり、後援団体、協賛社、行政関係者、保護者、生産者、メディアなど多くの方々のご支援をいただきました。この場から感謝の気持ちをお伝えして閉会の挨拶とします。ありがとうございました。

 

写真提供:全国学校給食甲子園