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子供たちは元気で食博士がいっぱい!「福井県のほんものの食育の成果」を食育推進全国大会で見聞しました。

平成19年6月9日・10日の両日、内閣府と福井県の共催による「第2回食育推進全国大会」がサンドーム福井で開催されました。この大会は毎年6月の「食育月間」に、食育への理解と感心を深めることなどを目的に、昨年の大阪府第1回大会に続いて、今年は全国でも食育推進のパイオニアとして県を挙げて取り組みを実践している福井県で開催されました。 大会には食育推進団体など全国から164団体が食育に関する展示・体験ブースを出展、一方で講演会やシンポジウムなども行われ、2日間で約17,300名の来場者で賑いました。 開催地の福井県は全国第2位の長寿県、出生率も全国平均よりかなり高く1.47、しかも「食育」という言葉を日本で初めて使った食医、石塚左玄先生の生地でもあり、最も早くから「食育」の重要性が提唱され実践されてきた歴史的な土地柄といえます。 2日間の大会は、当に福井県のほんものの「食育」見聞のよい機会となりました。

数多く見聞した中で、もっとも目立ったのは、会場内は子供たちから高齢者まで幅広い年齢層であふれかえり、特に3世代一緒の家族連れの来場者がたいへん多かったことです。しかも殆どの人々が、何となく催事に参加したといった様子ではなくて、「食育」の催しなので、興味を持って積極的に出かけてきたということがよく分り、改めて、福井県民の「食」への関心の深さを痛感しました。

「牛乳は赤、ごはんは黄色、ほうれん草は緑!!」

下の写真は 、おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで参加して、大変なにぎわいを見せた(社)全国学校栄養士協議会のブースでのひとコマです。 この「食品を赤・黄・緑に並べ分けるゲーム」は老若男女楽しみながら栄養素のことを学ぶことができるとあって、大好評でした。驚いたことに大人よりも子供たちの方が食品を赤・黄・緑に並べるスピードが速く、あっという間に並べ終わって、得意顔です。そばからお母さんが「今朝もご飯の時に、今日は黄色が足りないよ、と子どもからチェックが入ったのですよ。」と微笑みながら話されます。

福井県教育委員会のコーナーでは、栄養教諭の公開授業で学校給食(地場産食材を使ったメニューの伝授)を実際に試食する内容で、大盛況でした。(財)学校給食研究改善協会ブース展示の「学校給食・食育」の絵画の前では、受賞者親子がうれしそうに記念撮影、また、(独)日本スポーツ振興センターブースでは、展示された学校給食年代別モデル献立レプリカをいろいろな世代が見学、「お父さんの時はこんな給食だった」「脱脂粉乳がいやで、今も給食は苦手」などと会話が大いにはずみ、参加者のなごやかで愉しそうな表情が大会を終始、盛り上げていました。そして大勢のお母さんたちが、「学校栄養士の先生のおかげです、いつも感謝しています。」と話され、熱心に問いかけられる質問も、「これらの給食にはどんなアレルゲンが入っているのですか?」「学校給食のおかげで好き嫌いが減ってきました。どのような工夫をされているのですか?」など真剣に子供たちの健康をいつも気遣っておられる様子が痛いほど伝わってきました。

このように、大会2日間は福井県の「食育」が県内全域に学校給食等を通じて、地道に浸透し、家庭や地域にしっかり根付いていることを実感するばかりでした。 官民一体となって、生活している子どもやひとびとの為に実践されている、この純粋な取組みは、福井の将来にわたって何ものにも代え難いほど大切で貴い財産となるでしょう。 これこそ、当に「ほんものの食育」の成果。 関係者の方々のご苦労に心から敬意を表し、この成果が確実にどんどん全国へ広がっていくことを切望して、報告を終えさせて頂きます。