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『第59回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会』広島県で開催!

8月2日、3日の両日、広島県で「第59回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』主題~平和あふれるひろしまから 未来へつなごう ふるさとの味~」が開催されました。

栄養教諭・学校栄養職員を中心に、全国から学校給食関係者が参加し、2日間にわたる全大会・分科会において活発な研究討議が以下の内容で行われました。

今大会は西日本豪雨の災害を受けた直後の大変な時期に開催されましたが、熱気あふれる全大会に続き、分科会では心のこもったメニューのおいしい「ひろしま給食弁当」が配られ、猛暑の中、熱心に受講された参加者の気持ちがホッと和む様子も見受けられました。

         【展示会 会場の様子】                                       【大会のお弁当:ひろしま給食弁当】

1.大会概要 

1)主題
『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』
~平和あふれるひろしまから 未来へつなごう ふるさとの味~
2)趣旨
学校における食育の推進に向けて、児童生徒に対する食に関する指導の在り方や学校給食の充実方策について研究協議し、栄養教諭・学校栄養職員の資質の向上を図る。
3)開催日
平成30年8月2日(木)・3日(金)
4)開催場所
広島国際会議場
5)主催
文部科学省、広島県教育委員会、広島市教育委員会、
公益社団法人全国学校栄養士協議会、公益財団法人広島県学校給食会
6)協賛
全国学校給食会連合会

2.全大会概要

1)開催日
平成30年8月2日(木)
2)文部科学省説明
演題:「学校における食育の推進と栄養教諭の役割」
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課長/ 三谷 卓也
3)実践発表
主題:「学校・家庭・地域が一体となった食育の推進
~ひろしま給食100万食プロジェクトを通して~」
発表者:広島県教育委員会豊かな心育成課 健康教育係長/宮野 学
福山市教育委員会学校保健課 指導主事/井上 美穂
福山市立湯田小学校 栄養教諭/黒川 夕美
コーディネーター:文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 食育調査官/清久 利和
4)記念講演
演題:「青山学院大学陸上競技部のチームづくり」
講師:青山学院大学陸上競技部監督 原 晋氏

3.分科会概要

1)開催日
平成30年8月3日(金)
2)各分科会と研究主題
(1)単独調理場
研究主題
「単独実施校における食に関する指導の進め方」
(2)共同調理場
研究主題
「共同調理場から受配する学校における食に関する指導の進め方」
(3)特別支援学校
研究主題
「障害のある児童生徒一人一人に応じた食に関する指導の進め方」
(4)個別的な相談指導
研究主題
「現代的な健康課題を踏まえた児童生徒への個別的な相談指導の進め方」
(5)食育推進体制
研究主題
「全教職員による食育推進体制の構築と、家庭や地域、関係団体等と連携した推進体制の在り方」
(6)食育の評価
研究主題
「PDCAサイクルに基づく食育の評価や栄養教諭の配置効果の把握」
(7)栄養管理
研究主題
「学校給食における栄養管理の在り方」
(8)衛生管理
研究主題
「学校給食における衛生管理の在り方」

4.大会に参加して

瀬戸内海に面し、「日本国の縮図」と呼ばれる海、山の幸に恵まれた広島県で開催された今大会の展示会場では、県内特産物のジオラマや、地の利を生かした食指導のための手作り教材など広島県ならではの工夫がありました。

全大会および分科会が開かれた2日間には、レベルの高い講演や発表、活発な協議が行われ、たいへん意義深く中身の濃い内容でした。

【広島県特産物 ジオラママップ】 【100万食プロジェクトポスター】

【「ひろしま給食100万食プロジェクト」について】 

広島県では「ひろしま給食100万食プロジェクト」という取組を平成25年度から展開しています。このプロジェクトは広島県教育委員会が、学校給食を活用し「学校で20万食!家庭・地域で80万食!合わせて100万食」を食べることを目標とし、学校・家庭・地域が一体となった「つながる食育」を推進している活動です。

レシピを一般公募し、応募作品の中から毎年5つの「ひろしま給食」メニュー()を選定し、10月のひろしま食育ウィークで県内の全給食実施校で提供しています。家庭への働きかけとしては、平成29年度は家庭でも作りやすい「ひろしまおやつ」メニュー8品を応募作品の中から選定し、家庭での調理体験に繋がるよう実施されました。

地域における取組としては「ひろしま給食」メニューをレストランやサービスエリアで提供、商業施設で実演・無料試食会を実施など、地域の方が気軽に参加しやすい取組が実施されています。

学校・家庭・地域が一体となった取組を実施することで、子どもから大人までこのプロジェクトの認知が高まり、応募の数や「ひろしま給食」メニューを食べる人の数も年々増加しています。

【実践発表「学校・家庭・地域が一体となった食育の推進~ひろしま給食100万食プロジェクトを通して~」】

実践発表は上記内容で、県・市町・学校と異なる3組織からの発表があり、このプロジェクトを通して、児童・生徒自ら望ましい食習慣を身に付け、食事を作る楽しさと大変さを実感することで、感謝の心も育成され、家庭においても意欲的にお手伝いをするなど「つながる食育」を組織的・系統的に体現された素晴らしい内容でした。

コーディネーターの文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 清久 利和食育調査官からは「つながる食育」を推進していく中で、組織的・系統的に各県や各学校ならではの少しの工夫を加えることで実効性を高め、また地道に継続をしていくことにより、子ども達自身の生涯にわたる健康につながっていく、と総括としてのお話がありました。

【文部科学省説明】

文部科学省説明「学校における食育の推進と栄養教諭の役割」の中では、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 三谷課長から「食に関する指導と学校給食の専門家である栄養教諭は周囲を巻き込み、時にはコーディネーター的な役割となり組織的に取り組んでいくことが重要である」との説明があり、本大会に参加し、栄養教諭の担っている役割の重要性をあらためて実感しました。

今夏の第59回大会は、直前に起きた尋常ではない災害を圧して開催されました。関係者のみなさまのご苦労、ご心労は恐らく想像をはるかに超えるほど壮絶なものであったことと、拝察してやみません。

この度のすばらしいお取組と成果に対して、敬意を表するとともに、貴重な学習をさせて頂いたことに感謝して、心からお礼申し上げます。

※「ひろしま給食」メニュー、下記クックパッドからご確認頂けます。ぜひご覧ください。
https://cookpad.com/kitchen/10845871

※「ひろしま給食」広島県教育委員会ホームページ
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kyouiku/29-kyusyoku100mansyoku.html

髙岡 里恵
岩倉 綾子 記