株式会社 ＳＮ食品研究所

大阪市の松井市長が、大阪市の教育関連費の財源の一部を充てる構想で、市内の公立小中学校の学校給食無償化に向け、関係部門に制度設計を指示し、検討をはじめたことが分かりました。

大阪市では現在、市立小学校285校、中学校128校で学校給食を実施している。いずれも保護者の負担は食材実費のみで、人件費・調理コストは含まず、原則として1人につき、小学校給食費は年間約4万5千円、中学校給食費は年間約4万9千円。

大阪市では無償化実施に向け「所得制限を設けるか否か」・「無償の対象を中学校のみとするか」など、詳しい検討を行うとしている。大阪市教育委員会よると、経済的に厳しい家庭に、給食費などを補助する「就学援助制度」があるが、市内の公立小中学校すべての給食費を無償化すれば、新たに毎年約60憶円の財源が必要となるという。

市内の公立小中学校の学校給食無償化は、経済的に厳しい家庭や、ひとり親などで支度がままならず満足に食事が取れない「子どもの貧困」が社会問題となる中、栄養バランスの取れた学校給食を無償化することにより、教育費などがかさむ子育て家庭を支援し、子供の成長を支えるのが狙いだという。

学校給食の無償化を実施している自治体は、全国わずか4％で人口1万人未満が多く、大阪市のような中核市ではじめて2020年4月から兵庫県明石市が無償化を実施（詳細は、2019年10月4日付当見聞録をご参照下さい）、大阪府内では唯一、2019年4月から田尻町が無償化を実施しています。（詳細は、2019年4月3日付当見聞録をご参照下さい）

大阪市レベルの規模では過去に例がなく、無償化が実現すれば政令市では初めての取組となる見込みです。大阪市は、今後1年程度かけ学校給食無償化に向け詳細を詰める方針ということです。

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2018年5月21日付 SN見聞録
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