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地域の食文化を次世代に「伝え継ぐ日本の家庭料理」レシピ集 10年におよぶ調査

一般社団法人 日本調理科学会は、2012年度から聞き書き調査により、全国の地域に残されている特徴ある家庭料理を、地域の暮らしの背景とともに記録するため、全国に著作委員会を設置し、47都道府県ごとに各40品の次世代に伝え継ぎたい日本の家庭料理を選び、計約1900品のレシピをまとめた「伝え継ぐ 日本の家庭料理」全16冊を発行しました。

2012年から調査は始まり、日本調理科学会に所属する研究者約360人が分担して、全国各地を訪ね歩いた。収集した膨大な情報から厳選したレシピは47都道府県で各40品の計1880品。協力者は延べ1300人に上る。

日本の家庭料理は高度経済成長期に激変し、少しずつ地域の特徴が薄れていくことから、次世代に伝え継ぎたい家庭料理の基準は、次の2点とした。
①およそ昭和35年から45年までに地域に定着していた家庭料理
②地域の人々が次の世代以降もつくってほしい、食べてほしいと願っている料理

材料が手に入りにくく、現代ではあまり食べられなくなった各地の鯨料理や、でんぶを用いる千葉のおぼろずしの様に、現代の感覚では甘すぎるが、貴重な砂糖をふんだんに使ったおもてなしの心を表す料理など、全国で多く見られた。

約1900品のレシピは、材料・つくり方だけではなく、なぜこの料理がこの地域で食べられていたのかといった背景や、料理のいわれ(由来)、料理がつくられている地域の特徴、お年寄りの方々から伺ったお話なども掲載されており、失われつつある日本各地域の食文化を後世に伝える上で、意義深いものと言えます。