2025.01.29
「大腸がん」はカルシウムで防げる 研究で判明 牛乳の摂取が予防のカギ
カルシウムは特に成長期の子どもの骨と歯の形成に欠かせない栄養素として知られていますが、カルシウムが「大腸がん」の罹患リスクを大幅に減らすという研究論文が2025年1月、学術誌「Nature Communications」に発表されました。
イギリスのがん研究を支援する団体Cancer Research U.K.(英国王立がん研究基金)が資金を提供した本研究は、54万人以上の女性を対象に約16年間にわたるデータを使用(うち1万2251人が研究期間中に大腸がんに罹患)。
研究者が、調査対象全員の食生活を分析したところ、カルシウムが豊富な食事をとっている人の大腸がん罹患率は、そうでない人に比べて著しく低い傾向があることがわかった。
研究結果によると、毎日300mgのカルシウムを摂取すると、大腸がんの罹患リスクが17%低下するという。300mgのカルシウムは、コップ1杯の牛乳に含まれる量とほぼ同じだ。カルシウムが豊富な食品といえば牛乳の他にも、ヨーグルトやチーズがあるが、緑黄色野菜、そして豆乳などの植物性ミルクにも含まれる。
同研究は平均年齢60歳の女性を対象に行われており、万人にあてはまる結果と考えることは難しいが、今回のカルシウムに関する知見は50万人ものデータを基に導き出されていることから、研究者達は、カルシウム摂取の恩恵は男性や若年層にもあると考えているということです。