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『第54回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会』奈良県で開催!

奈良県で「第54回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」が栄養教諭・学校栄養職員を中心に、全国から学校給 食関係者が参加し、2日間にわたり、『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』~出会い 奈良から広がる食育の輪~を主題として、研究討議が以下の 内容で行われました。

1.大会概要

  1. 主題
    『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』
    ~出会い 奈良から広がる食育の輪~
  2. 趣旨
    学校における食育の推進に向けて、児童生徒に対する食に関する指導のあり方や学校給食の充実方策について研究協議し、栄養教諭・学校栄養職員の資質の向上を図る。
  3. 開催日
    平成25年7月31日(水)・8月1日(木)
  4. 開催場所
    全体会・展示 奈良県文化会館
    分科会 公立学校共済組合奈良宿泊所・春日野荘・奈良県商工会議所・奈良市中部公民館
  5. 主催
    文部科学省、奈良県教育委員会、奈良市教育委員会、公益財団法人全国学校栄養士協議会、公益財団法人奈良県学校給食会
  6. 協賛
    全国学校給食会連合会

2.全大会概要

  1. 文部科学省説明
    「学校における食育の中核を担う栄養教諭の役割」
    文部科学省スポーツ・青少年局長/久保 公人
  2. 記念講演
    演題:「奈良の歴史・古の食文化について」
    講師:龍谷大学文学部歴史学科 教授/浦西 勉
  3. 実践発表
    主題:「吉野町における学校、家庭、地域の連携を生かした食育の推進」
    -生活・学習の中での「食」を見つめよう、地域の人々の交流を通じて-
    発表者:奈良県吉野郡吉野町教育委員会 教育次長/表谷 充康
    吉野町立吉野小学校 校長/鍵谷 壽宏、栄養教諭/森脇 尚子
  4. 講演
    主題:「学校給食における食物アレルギー対応について」
    講師:昭和大学医学部小児科学講座 講師/今井 孝成

3.分科会

  1. 開催日
    平成25年8月1日(木)
  2. 各分科会と研究主題
    (1)食に関する指導(単独校、共同調理場)
    研究主題
    「学校における食育を推進するためには食に関する指導はどのようにしたらよいか」
    (2)個別指導(食物アレルギー、肥満、痩身傾向、スポーツ)
    研究主題
    「児童生徒や保護者に対する個別的な相談指導はどのようにしたらよいか」
    (3)特別支援学校
    研究主題
    「障害を有する児童生徒の食に関する指導や個別的な相談指導はどのようにしたらよいか」
    (4)学校と家庭・地域の連携推進
    研究主題
    「学校と家庭・地域との連携を深め、学校における食育を推進するためにはどのようにしたらよいか」
    (5)栄養管理
    研究主題
    「児童生徒の体格及び活動レベルならびに地域の実情等に配慮した栄養管理を行うためにはどのようにしたらよいか」
    (6)衛生管理
    研究主題
    「学校給食の衛生管理を徹底するためにはどのようにしたらよいか」

4.大会参加者のまとめ

全国から集まった先生方のもと、古都・奈良の歴史や文化にふれる講演、充実した内容の実践発表、食物アレルギーの対応について等、真剣な討議が繰り広げられました。

特に、食物アレルギーに関する指導についての報告は、昨年12月に発生した調布市における事故を受け、再発防止の対応に努める先生方の苦悩と努力が伝わってくる内容でした。
その中から、新潟市と鹿児島県日置市におけるアレルギー対応の実践発表をご紹介します。

【発表-1 新潟県新潟市立上所小学校】
新潟市の教育委員会では、新潟市医師会にも協力を要請し、「学校給食における食物アレルギー対応の手引き」を作成。
新潟市上所小学校では、入学以来提出された情報を元に、「個人ファイル」をまとめ、調理員とともに誰が見ても分かる「食物アレルギー対応カード」を作成。
保護者に、医師の診断による指導表の提出を求め、学級担任と児童本人と毎日、対応を話し合う。
全職員の共通理解のもと、保護者と連携することで、保護者からの信頼を得ることができてきている。

【発表-2 鹿児島県日置市立鶴丸小学校】
鹿児島県日置市の教育委員会でも対応マニュアルを作成し、関係書式を統一。
東市来学校給食センターではアレルギー関連の研修会実施や、予算を増額し調理員加配施設設備改修などの体制整備を実施。保護者からは医療機関での検査結果や調査票の提出を求め、面談を実施。
誤配送防止の手立てとして専用容器へ配食するとともに、配送員も確認・報告を実施。
この様な体制を整備したことで、市全体で共通理解を図り取組むことができてきている。

先生方の願いは、「児童が楽しく食事が出来ること」。
アレルギー対応は、各学校の判断に委ねられている現在、保護者の要請にも応えながら、信頼される学校給食を目指しておられます。

また、文部科学省では、5月23日に第1回「学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議」を開催しており、来年3月まで会議を重ね、国としての対策を作成する方針が示されています。今後の動向に注目が集まることでしょう。