2019.07.17
食品の異物、魚の小骨など AI検出 食品ロス削減へも
異物検査機製造のシステムスクエア(新潟県長岡市)は、人工知能AIを搭載する異物検査装置を開発しました。
主力の食品メーカー向け装置は、見逃しやすい魚の小骨の自動検出率を大幅に高め、検査時間を従来の2割に縮めました。
従来の骨なし魚の製造過程は、魚の身に紛れて見つけにくい小骨を、検査員が拡大画像を見ながら平均で1尾当たり約20秒かけて確認するのが一般的。
今回開発された新装置は、人口知能AIが深層学習(ディープラーニング※)し、見逃しやすい小骨を瞬時に識別する。小骨が残っていればモニターにわかるように印をつけ、検査員が取り除く時間を平均で約4秒に短縮した。
これまでの自動検出ソフトでは、見逃したまま魚の身に残った小骨の検出率は平均70%ほどだったが、人口知能AIの活用で同95%まで引き上げた。
またシステムスクエアによると、鶏の骨は他の動物より密度が低く形状も複雑なため、従来のX線撮影では色の濃淡やムラが大きくあり、骨の検出が難しいことが多い。人口知能AI搭載の新装置だと、見極めにくい骨を高い精度で自動識別できるため、鶏肉の異物検査課程にも効果がある。
本来食べられるのに捨てられている日本国内の食品ロスの量は、2016年度で約643万トンであったと、農林水産省や環境省より公表されています。
異物検査機製造のシステムスクエアによると、骨を抜く過程で小骨の密集している部分は骨を抜かずにそのまま切り取って出荷しない事例もあるため、今回開発された新装置を使用することで、食品の加工段階で大幅な食品ロスの削減にもつながるとしています。
※ディープラーニング(深層学習)とは、人間が自然に行う作業をコンピュータに学習させる機械学習の手法のひとつです。