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「子どもの心身の健康より利益優先」インスタグラム巡り フェイスブックを批判

アメリカ合衆国(以下 アメリカ)のオンライン・ソーシャルメディア(※1)及び、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(※2)を提供する「Facebook」(以下 フェイスブック)が運営する画像共有アプリ「Instagram」(以下 インスタグラム)への批判が、アメリカメディアや米議会で強まっています。

9月30の米公聴会では、フェイスブックの幹部が召喚され、フェイスブックは何度にもわたって利益を優先し「我々の子ども達の安全より自分達の成長を優先した」「若者の健康に害があると知りながら、早期に使うよう促している」と、議員らが相次いで批判し、若者への影響についての対策や情報開示の強化を求めた。

同日の米公聴会の焦点となったのが、米紙ウォールストリート・ジャーナルが同月公開した調査報道で、「インスタグラムは10代少女に有害」と題し、「フェイスブックは内部資料で『10代の少女の32%は、自分の体形に不満を感じている時にインスタグラムを見ると、さらに自己嫌悪感が強まる』と、若者への悪影響を把握しながら、影響を公表しなかった」と、企業姿勢を批判している記事だ。複数の議員がこの問題を取り上げ、摂食障害や自殺の増加との関連を指摘する声も相次いだ。

フェイスブックは、社内調査結果の一部に注釈を付けて公開し、「調査した12の項目のうち(体形以外の)11項目では肯定的な反応が得られている」などと反論したが、社会的な批判や懸念が強まっていることを理由に、フェイスブックが開発を進めてきた13歳未満の児童を対象としたインスタグラムの開発を一時中断することを発表した。

フェイスブックは、批判の高まりを受け保護者や専門家らの理解を得るための活動を優先するとして、13歳未満の児童を対象としたインスタグラムの開発の一時中断を発表する一方、子ども達が年齢を偽ってインターネットにアクセスするよりも、専用のアプリを利用する方が保護者にとって良い選択だと主張しています。

※1:オンライン・ソーシャルメディア
インターネットにおいて、個人を主体にした情報発信や情報交換を可能にするメディアの総称

※2:ソーシャル・ネットワーキング・サービス
インターネットを通じて、場所にとらわれず利用者同士のコミュニケーションを実現できるサービス